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2007年10月 3日 (水)

高崎D51取材

横川に停車中のD51-498

撮影も終わって3ヶ月。映像も編集作業が終わり、映像から勾配や曲線のデータを抜き出す作業も進みました。
うちの作品の制作ラインは主に5つあり、動画制作班・音声制作班・性能制作班・データ制作班・グラフィック制作班にわかれます。そのうち2つ目の音声制作は、収録された動画から走行音を切り出し、実際にどう鳴らすか設定する作業のほか、列車のコックピット音の作成もあります。
コックピット音は列車の器機を操作した時の音やモーター音などですが、蒸気機関車の場合はモーター音ではなく蒸気音です。もちろんノイズの合成音で作るわけにもいけないので実際に収録しなくてはなりません。そこで高崎のD51-498へ音の収録をしに行きました。
高崎のD51は高崎~水上間で走る『EL&SL奥利根号』の他、高崎~横川間で走る『SL碓氷号』があります。もちろん実際の営業運転の前には試運転も行います。今回はその『SL碓氷号』の試運転の時に音取材もさせてもらおう、という形です。
前回のD51取材はスタッフ二人だったので、まだ大部分のスタッフはD51を知りません。そこでそれら教習(?)も兼ねて、皆で取材に行きます。まぁ人手が多いほうが荷物運びには便利なので。

客車内に設置された機材 高崎に着くと、まず最初にミキサーや音声コードを客車側に取り付けました。客車は12系客車です。隣に旧型客車も留置されていて、あっちの車両のほうがいいなぁ~とも思ったり。
12系客車は4両編成のうち、1両は発電用のディーゼルを床下に積んでいます。このディーゼルが曲者で、かなりの騒音を発生します。万が一、D51に取り付けたマイクがこの音を拾ったら、せっかくの音取材が台無しになってしまいます。するとなんとJR様側からのご配慮で、このディーゼルつきの車両をわざわざ編成反対側に付け替えてくれるという特別な計らいをしていただきました。これで騒音問題は解決。JR様に感謝です。

D51に取り付けられたマイク類次に機関区に移ってD51にマイクの取り付けをします。
マイクは実際に音の出る場所の近くに取り付けます。一つ目は煙突の横。ここでボッボッというドラフト音を収録します。二つ目は第一動輪横。ここでロッドの音を収録。最後の三つ目は第三動輪横。これは動輪自体の回転音を収録します。
さらにマイクだけではなく今回はカメラを使って動輪の動きや機関士の動作を収録。前面展望とあわせて見ることによって、機関車の状態による操作方法を覚えるためです。
設置だけに一日使い、ホテルに宿泊後の翌日に取材開始。
翌日朝9時、再び車庫に集まり客車に乗車。そのまま出庫しD51と連結し、10時34分に物凄い汽笛を鳴らして高崎駅を出発。動画も順調に撮れています。

キャブと動輪の様子北高崎を通過するあたりでD51は最高速に。その速度はなんと時速57キロ近く。蒸気最盛期ならこんな速度は出してるうちにも入りませんが、今のSLしか知らない身には驚異的な速度です。
そして何より凄いのが揺れ。キャブ内に取り付けたカメラを見てみると、とてつもない揺れでカメラがブレまくっています。見てるだけで酔いそうです。
やがて横川へむけて連続勾配区間に入り、速度が徐々に落ちてきます。さっきまでの速さは嘘のように、時速20キロ程度でえっちらおっちら坂を上っていきます。機関士さんの空転させない絶妙なハンドル捌きに驚きです。

横川での取材の風景横川に到着後、残りの音を取材。実物のキャブを使ったシミュレータなので、大半のものは収録しないで済むのですが、それでもブレーキ緩解音や給水ポンプ、インジェクターやコンプレッサ。焚口戸の作用音などは収録しなくてはなりません。特に凄かったのは汽笛。さすがに周囲5キロ近くまで轟かせるだけあって、鼓膜が破れるほどの轟音。マイクの感度は即振り切れ、収録失敗。感度を下げ、鳴らしては下げ、鳴らしては下げで、3・4回鳴らしてやっと収録に成功するほどの音量でした。

性能制作班は機関士さんや機関助士さんを捕まえ質問攻め。自弁と単弁の動きや各圧力計の動き。石炭の投炭方法による燃焼率の違いの他、バイパス弁を開いている時に加減弁を開くとどうなるか、空転した時の対処方法などを熱心に聞いていました。

一時間半ほどの取材は何事の問題も無く終了。高崎への帰りの車内で横川名物峠の釜飯を皆で食べ、SLの余韻に浸りました。

記念撮影

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