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2011年3月27日 (日)

九州鉄道記念館811系シミュレータ開発記2

九州鉄道記念館のシミュレータ

デバッグ表示のシミュレータ画面

シミュレータを作るには、まず仕様を決めます。
JR九州から求められたのは、初級・中級・上級のようなレベル分けを行い、ユーザーが選んで遊べるようにする。上級ではATSなどの機器動作をリアルに行う。運転評価を行う。女性と男性の車掌音声を再生する。などです。
レベル分けは最終的に[ビギナー]・[ノーマル]・[プロフェッショナル]という各モードになり、プロフェッショナルモードではATS動作時にATS確認ボタンを押さないとATS非常ブレーキが動作するようになっています。(ビギナー・ノーマルでは確認作業はできますが、確認しなくてもATSは動作しません)
また、運転評価は『信号・制限の遵守』・『定時運転』・『停車時衝動』・『停止位置目標との誤差』・『非常ブレーキ動作』の5つの項目で行います。各項目は20点の持ち点で減点方式により評価され、運転後に採点と称号がもらえます。
称号は、ビギナーが『もうすこしがんばりましょう』と『よくできました』。ノーマル・プロフェッショナルが『見習運転士』・『一般運転士』・『指導運転士』となっています。
ちなみに車掌の音声はユーザー交代ごとに女性と男性が入れ替わり、案内放送を行います。
音楽館特有のオーバーラン後のお詫び放送も一応収録してあるので、あまり車掌さんを謝らせ続けないような運転を心がけましょう。笑


  シミュレータの運転台

この基本的な仕様をもとにメインプログラムを行いますが、他に大事なのは車両の性能。
811系はサイリスタ位相制御なので、性能の引張力自体は簡単に割り出せますが、そこから産出する基本の加速度がわかりません。文献にもネットにも811系の加速度に関する記述がないため、JR九州の車両課に質問したところ、加速度は2.2km/h/sとのこと。211系が1.7km/h/sだったので、若干速めです。
減速に関しては最近の車両では当たり前になった回生ブレーキは、デッドセクションの関係で搭載されておらず、抵抗制御による発電ブレーキで行われています。この発電ブレーキも速度域ごとに立ち上り反応速度がバラバラで、低速になればなるほど発電ブレーキが立ち上らない(100km/hだと2秒で立ち上るが、50km/h以下だと6秒以上かかる)という特性も再現しました。
また、この車両は増圧ブレーキを搭載しているのですが、増圧ブレーキ作動条件と解除条件、増圧率がわからず、撮影時に運転士さんと運転科の方、車両課の方に聞いてみたところ、3人全員が唸ってしまいました。後日車両課の方が資料をひっくり返して調べていただいた結果、動作は100km/h以上、解除は40km/h以下、増圧率は通常のBC圧力値の115%増ということでした。
このように、これでもか!というほどのリアルな車両を組み上げるのですが、残念ながらユーザーの操作を一部簡単にさせるため、再現していない機能もあります。それがEB装置とATS警報持続ボタン、それとATS復帰スイッチで、これらの機能は操作が分かりにくいことから今回は見送らせていただきました。(ATSが動作しても停車後に自動的に非常が解除され、駅停車で持続ベルも鳴りやみます)

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