制作スタッフこぼれ話

2011年3月30日 (水)

九州鉄道記念館811系シミュレータ開発記3

811系シミュレータ前面 音楽館で基本的なプログラミングを行い、納品するPCを九州へ出荷します。

今回の工事は2週間。シミュレータのハードウェア(速度計などの計器や、ランプなど)をばらして音楽館社内に持ち込み、社内でデバッグできないのでハードウェアに関しては現地での作業になります。となると、現地ではもっぱらハードの動作確認に費やされます。

まず行われるのがすべての動作する機器を繋いで電気的に動くのかを確認し、それからPC本体に接続してソフトウェア経由で動作するかを確認します。しかしこれが簡単にはいかず、やっとのことでPCとの接続を確認したと思ったら、今度は速度計などのメーター類などがソフト上の数値と合わない。ランプが動作しない。ブザーを押しても音が鳴らないなど、会社内では確認できなかった事象が山のように出てきます。
これらをすべて片づけて、やっと運転のできる状態になるのです。

運転可能になると、最後に実運用を想定したチェックを行い、いままで発見できなかった問題点などを発見・修正をして完成させていきます。


運転台床下の調整中

床下スピーカー


九州鉄道記念館 リニューアル811系シミュレータ 門司~西小倉

会社内では数値上でしか確認できなかった機器の動作が、実際に計器やランプを通して動作しているのをみると、嬉しく思うのと同時に「こうじゃない」と思うことも出てきます。
たとえばデッドセクションにおける針の振れ方が、動かしてみると全に0kVになってしまう。しかし本当の車両ではほんの一瞬のため実際は15kVぐらいまで下がらないのですこういう修正も行わなければなりません。


デッドセクションの動作


ATS-SKの動作

今回新しくなった機能は、状況表示モニタとモード選択スイッチです。
モード選択スイッチは[ビギナー]・[ノーマル]・[プロフェッショナル]を選べるスイッチで、[ビギナー]は音声と表示のガイドあり。[ノーマル]は音声ガイドが無く、表示ガイドのみ。[プロフェッショナル]は音声も表示もガイドはありません。
状況表示モニタは縦型モニタを採用し、そこに従来の速度や勾配、残り距離表示のほか、画面上部3分の2ほどに門司港から折尾までのスタフ(行路表)を模したものを表示しています。
これはモードを選択して運転画面に入った時点での時刻をもとに、自動で生成している臨時ダイヤのものです。自分の列車が遅れないように時間をチェックしながら走ると面白いと思います。


モード選択スイッチ

状況表示モニタ

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2011年3月27日 (日)

九州鉄道記念館811系シミュレータ開発記2

九州鉄道記念館のシミュレータ

デバッグ表示のシミュレータ画面

シミュレータを作るには、まず仕様を決めます。
JR九州から求められたのは、初級・中級・上級のようなレベル分けを行い、ユーザーが選んで遊べるようにする。上級ではATSなどの機器動作をリアルに行う。運転評価を行う。女性と男性の車掌音声を再生する。などです。
レベル分けは最終的に[ビギナー]・[ノーマル]・[プロフェッショナル]という各モードになり、プロフェッショナルモードではATS動作時にATS確認ボタンを押さないとATS非常ブレーキが動作するようになっています。(ビギナー・ノーマルでは確認作業はできますが、確認しなくてもATSは動作しません)
また、運転評価は『信号・制限の遵守』・『定時運転』・『停車時衝動』・『停止位置目標との誤差』・『非常ブレーキ動作』の5つの項目で行います。各項目は20点の持ち点で減点方式により評価され、運転後に採点と称号がもらえます。
称号は、ビギナーが『もうすこしがんばりましょう』と『よくできました』。ノーマル・プロフェッショナルが『見習運転士』・『一般運転士』・『指導運転士』となっています。
ちなみに車掌の音声はユーザー交代ごとに女性と男性が入れ替わり、案内放送を行います。
音楽館特有のオーバーラン後のお詫び放送も一応収録してあるので、あまり車掌さんを謝らせ続けないような運転を心がけましょう。笑


  シミュレータの運転台

この基本的な仕様をもとにメインプログラムを行いますが、他に大事なのは車両の性能。
811系はサイリスタ位相制御なので、性能の引張力自体は簡単に割り出せますが、そこから産出する基本の加速度がわかりません。文献にもネットにも811系の加速度に関する記述がないため、JR九州の車両課に質問したところ、加速度は2.2km/h/sとのこと。211系が1.7km/h/sだったので、若干速めです。
減速に関しては最近の車両では当たり前になった回生ブレーキは、デッドセクションの関係で搭載されておらず、抵抗制御による発電ブレーキで行われています。この発電ブレーキも速度域ごとに立ち上り反応速度がバラバラで、低速になればなるほど発電ブレーキが立ち上らない(100km/hだと2秒で立ち上るが、50km/h以下だと6秒以上かかる)という特性も再現しました。
また、この車両は増圧ブレーキを搭載しているのですが、増圧ブレーキ作動条件と解除条件、増圧率がわからず、撮影時に運転士さんと運転科の方、車両課の方に聞いてみたところ、3人全員が唸ってしまいました。後日車両課の方が資料をひっくり返して調べていただいた結果、動作は100km/h以上、解除は40km/h以下、増圧率は通常のBC圧力値の115%増ということでした。
このように、これでもか!というほどのリアルな車両を組み上げるのですが、残念ながらユーザーの操作を一部簡単にさせるため、再現していない機能もあります。それがEB装置とATS警報持続ボタン、それとATS復帰スイッチで、これらの機能は操作が分かりにくいことから今回は見送らせていただきました。(ATSが動作しても停車後に自動的に非常が解除され、駅停車で持続ベルも鳴りやみます)

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2011年3月25日 (金)

九州鉄道記念館811系シミュレータ開発記1

撮影に使用した813系

現在、音楽館では3月31日にリニューアル予定の九州鉄道記念館用811系シミュレータを鋭意製作中です。
この811系シミュレータは現在、門司港~西小倉の往復となっていますが、今回のリニューアルで門司港から折尾までの区間に延長されます。
今回はシミュレータの撮影秘話をご紹介します。

モーター音を収録した811系P1編成
ちなみにシミュレータの車両は811系P2編成

撮影は12月28日・29日に行われるため、我々撮影スタッフは前日の27日に博多に乗り込みました。
撮影区間は博多から門司港というかなりの長距離。そこで路線調査や音の収録を兼ねて、鹿児島本線の博多~荒木~小倉~博多と実際に811系に乗ってみました。
まず最初に行われたのが811系のモーター音収録。幸い下り方面の普通列車はあまり人が乗らずに静かな環境下で音の収録ができました。811系のモーター音は、201系+205系÷2といった感じ。
モーター音収録の際に必要なのが速度情報ですが車掌側の運転台にハンディーカムを向けて撮影していましたが、乗務していた車掌さんが相当訝しげな顔をしていました。


   駅音の収録風景

折り返し列車が赤間行きなので、赤間までに運転台の機器の動作などを調査することも怠りません。マスコン投入後の加速の反応速度、各速度域毎の電制の立ち上がり遅れや、BC圧の反応タイミングなどを詳細にメモります。
赤間で813系に乗り換えて小倉まで移動。途中の駅で駅放送なども収録しながらの取材となりました。

駅音は列車接近時や発車時にJR九州特有のプルプルと鳴るブザー音が鳴り響きます。小倉や博多以外は自動で鳴るものですが、小倉・博多では駅員の手動操作によりブザー音が鳴るため、小倉駅・博多駅では納得のいく音声が収録できるまで30分以上かかりました。(特に大きな駅では他の列車の音や放送が入るため、なおさら大変)
駅音の収録というと、ながーい棒の上にマイクを付けてスピーカーの音を直接拾うものを想像しますが、音楽館では周囲の環境音も同時に録音するため、普通のボイスレコーダーのようなもので収録します。
 

28日の撮影当日。南福岡車両区は絶好の快晴。朝7時に集合して撮影車両に乗り込みます。
撮影車両は811系と行きたいところですが、811系は前面窓が傾斜していてカメラが取り付け困難なため、前面が垂直な813系をチョイスして挑みます。
快晴の中、博多駅を出発したころで気になる雲が前面に広がります。明らかに雲は真っ黒け。どうみても雨雲です。
するとあれよあれよと香椎あたりでポツリポツリと雨が降り出しました。なんということでしょう!撮影失敗です!!
意気消沈な中、列車は門司港に到着。昼食ついでに九州鉄道記念館に寄ると、じょじょに雨が上がってきました。これならイケる!!と折り返しの撮影に期待したのも束の間、再び大雨。この日の撮影は博多~千早だけ成功となりました。


マイクの取りつけ

撮影風景

映像と音声チェック
左上のテルテル坊主が状況を語る

門司港到着
一日目はあいにくな天気だった

問題なのが今回の撮影、小倉~門司港を撮影できるのはダイヤの都合上28日の1日のみ。つまりこの日の撮影に失敗したため、門司港がシミュレータで採用できなくなってしまいました。
しかしその夜、社長がJR九州の方に事情を説明したところ、なんと29日も小倉~門司港の撮影ができるようにして頂けたのです!

そして運命の29日、やはり博多近辺だけが快晴で、小倉に向かえば向かうほど天気が悪く、28日と同じく雨模様に。
ですが嬉しいことに午後から天気が落ち着き始め、門司港からの折り返し時には、たまに雨粒がガラスに付く程度になり、なんとか門司港から海老津ぐらいまで雨に降られず撮影できたのでした。
全員ほっとして撤収できたのは言うまでもありません。

最終的に撮影使用区間は紆余曲折もありましたが、無理に短区間の博多周辺などを入れた細切れ区間をチョイスするよりも、実際の運用区間として存在する門司港から折尾の1区間に落ち着きました。(折尾駅の折り返し線にも使われる5番線に入線したのは偶然でした)

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2007年1月31日 (水)

スタッフ開発裏話:2

Ralifanで採用された中央線 ― 無事にRailfanも発売されました。前回からずいぶん間が開きましたが、前回予告していた採用路線の決め方についてお聞きします。

スタッフ:よろしくお願いします

― 今までの作品で数多くの路線を採用してきましたが、その採用基準は?

T:人気のある路線や、知名度のある路線、その時々に話題のある路線などを採用しています。

― たとえば?

T:東急は人気がある路線ですし。山手線や中央線などは知名度がありますね。また、京浜急行なんかは知名度も人気もあります。
O:昔出した南部縦貫鉄道なんかは廃止間際で話題性を追求(?)した路線ですね。

― 基本的な採用基準は人気や知名度、話題性。では他の要因は?

T:後は社長の趣味もあります(笑)

― (笑)

O:正確にいうと後は政治的理由もありますね。

― というと?

T:その路線を採用して売れるか売れないかですね。売れなければ話になりませんし。
O:会社の規模もそこそこ大きくなりましたしゲームの規模も大きくなりました。それによる開発コストの増大を売り上げで回収しなくてはなりませんし、コンシューマ機ベースの全国展開となるとどうしてもメジャーな大手鉄道会社や路線に偏ります。
T:しかも統計的にみて、採用路線の乗降客数に比例して販売本数が増えるという現象もあります。
O:本当は田舎の地方路線とかもやりたいんですけどね。
K:不採算路線ですね(笑)
T:銚子電鉄・大井川鉄道・琴電パックとか。
K:やりたいですねぇ(笑)

― なるほど。確かに売れなければ次回作も出せなくなりますしね。

T:他にもその鉄道会社が制作に協力してくれるか。が重要です。
O:企画だけならいくらでも出せますが、実際に鉄道会社がOKといってくれなければ意味がないですし。

― やはり鉄道会社によっては協力の具合が違いますか?

T:違いますね。
O:これは依頼した鉄道会社の担当者の方の熱意も相当あります。やはり担当者が鉄道好きな場合は非常に協力的です。こちらの要求も通しやすい。
K:そういう意味では京急様や東急様は大変協力的でしたね。
T:鉄道会社から依頼された場合も楽です。
O:九州新幹線や御堂筋線ですね。

― ユーザーから採用してほしい路線として声の高い京王電鉄やJR東海などはどうなのでしょうか?

T:やりたいんですけどねぇ…
O:これこそ政治的理由で難しい…(笑)

― それはなぜ?

T:まぁ思い当たることはあるんですが、ここでは言えませんね(笑)

― 他に採用の要因はありますか。

O:後はディスク容量ですね。
T:採用路線の区間の長さです。基本的に撮影列車の撮影時間に依存しますが。
O:Railfanの場合は大体1分あたり約100MBの計算で収録してあります。
T:システムデータ容量が3GBと見積もって、走行映像の収録時間は大体約210分といったところでしょうか?
K:もし退避映像が必要な場合は退避パターンに合わせて全線収録になります。
T:つまり退避があると全線映像を2本持つことになります。それだけで最大収録路線長が半分に減ります。
O:こういった感じでディスクに収まる範囲の路線が決められます。

― ディスクの容量はつねにこの作品に付きまとう問題ですね(笑)、ちなみにディスク2枚組みなどはどうなのでしょう。

T:製作コスト的にも発売価格的にも商機を逃すためあまり考えていません。
O:RPGみたいに一方通行で前のディスクには絶対に戻らないなら楽なんですが、うちのゲームの場合ディスクを入れたり出したり戻したりの連続になりますね。
T:バグも怖いですし。

― なるほど、路線の決まる要素は大体このようにして決まるのですね。

T:あと一番重要なのは走ってて面白いかです。
O:信号も変わらず、延々とまっすぐな路線を一回加速してだらだら走ってブレーキかけて止める。それが連続してるような路線は走ってて面白くありません。ですから企画段階で落とされます。
K:これがJR路線がなかなか採用されない要因ともいえますね。

― Railfanで採用されたシカゴ市交通局・JR東日本中央線・京阪電車はどういった経緯で決まったのでしょうか?

O:まずシカゴはタイトー様側のご担当者の一言があり、それに社長がのって決まりました。海外展開も考えていたのでグローバルにいこうと。一応社長は英語OKなんで。
T:地下鉄ではなく地上を走る海外の通勤電車というとなかなか思いつきませんが、その際に一番手にあがったのがシカゴのループでした。
O:映画『逃亡者』や『スパイダーマン』、『Shall we dance?』などにも登場しているので知名度もそれなりにありますし。
T:ビルの谷間を90度カーブというのも日本の路線、というか世界の路線でも珍しいですしね。

― 中央線は?

T:中央線はやはり海外展開で行くなら日本で有名なのは東京。つまり「東京行き」の路線を採用したかった。
H:となると採用路線は東海道線か横須賀線、京葉線、中央線になります。
O:それなりの駅数で車種も少なく、制作が楽。さらに路線が有名となるとおのずと中央線になりましたね。
T:TrainSimulatorの記念すべき第一作目のオマージュ(?)もかねてます。実際過去の中央線作品と見比べると、その進化っぷりが笑えます(笑)

― 京阪電車は?

T:これはそのとき京阪様と別の仕事でお付き合いがあり、比較的簡単に撮影許可が降りそうだったからです。
O:やはり日本で有名どころ、京都と大阪も走っていますし、ネームバリューもばっちりです。
T:実を言うと容量問題で中書島~淀屋橋までしか収録できない可能性があったという逸話があります(笑)

― Railfanでも採用路線にいろいろな理由があったのですね。
  次回は撮影についてお聞きします。お楽しみに!

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2006年11月10日 (金)

Railfan制作快調

京阪を真剣にチェックする運転士さん達 いよいよ11日に“PS3”が発売されます。既に某販売店では並んでいる人もいるとか…そんな中、『Railfan』の制作も佳境に入り、京阪電気鉄道の皆様をお呼びして最終チェックを行っています。現役の運転士の方に実際に運転していただき、電車の動き、喚呼、信号やATSの動きまで「厳しい」ツッコミが入ります。
今作は正面の映像と外からの映像が一発で切り替えが出来ることが特長で画面の切り替えに一同の驚きが入ります。
体験していただいている方曰く、運転台が凄いとの感想。3D制作担当者のこだわりが報われるときです。
京阪電車では駅発車時に運転士も後方確認をします。乗務員室ドアの窓が上下し、電鈴も運転士・車掌とのやりとりが再現されています。
京阪8000系では定速ノッチ機能がありますが、きちんと再現されています。(東京ゲームショウや鉄道フェスティバルでは実装されていませんでした)今回のチェックでも使用していました。
スタッフがすごいと思ったのは、ゲームでもダイヤ通りに走ってしまうこと。プロは違いますね。

こういう方々に支えられて、ゲーム上の車両が実際に近いものになっていきます。

追伸:ちなみに休憩中、勉強の意味合いでJR中央線も運転されてました(笑)。

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2006年9月19日 (火)

スタッフ開発裏話:1

疑惑の画像

― 今回から数回に渡り、音楽館やTrainSimulatorなどに対する様々な疑問や作品の製作過程等を聞いていきます。

スタッフ:よろしくお願いします

― まず今回のPS3での作品では、タイトルがTrainSimulatorではなく、Railfanとなっていますが。

スタッフT(以下T):今回の作品は従来のTrainSimulatorとはかなり違うものになってます。映像やシステム等が進化しているというのもありますが、全体の雰囲気から言って今までのTrainSimulatorとはかなり違う作品になっています。

― つまり従来のゲーム内容とは違う?

T:かなり違いますね。今までみたいに特定の区間をただ運転して、ポイントを取得したり減らさないようにするといったゲームシステムとは違います。

― というと?

スタッフH(以下H):ある特定の目的に沿った内容で、複数の運転をするミッションが入っています。
T:たとえば揺らさないで走る。とか。電力消費量を少なくして走る。とか。その辺はまだどれだけ盛り込めるかわかりませんが。
スタッフO(以下O):もっとライトな、より運転を楽しくこなせるゲームシステムにします。

― なるほど。他に過去作と違う点はありますか?

T:情報系を充実させます。
O:早い話が沿線情報ですね。自分が運転している区間の近くの沿線情報や観光案内などを紹介する機能を搭載します。
T:駅停車中に観光ボタンを押せばその駅の最寄の観光施設を案内するといった機能です。

― それは便利ですね。

T:実はそれが過去に発表されたタイトルの意味だったんですよ。
H:そうそう。

― あ、トレイントラベラーですか!

T:そうです。当時はもっと観光案内などを重視した内容だったんですよね。
O:まぁ、それでタイトルがトレイントラベラーになりかけていたんですけど、さすがにそれだけの作品じゃないですし。
H:ぱっと聞いて印象に残らないですしね。
T:そこでうちの会社で運営している鉄道ポータルサイトの名前を使っちゃえばいいんじゃないかと提案したんですよ。
O:知名度もありますし。なによりわかりやすい。

― それでRailfanになったんですね?

T:はい

― そういえば当初はTrainSimuletorOnlineとなっていましたが…

T:それは聞かないでください(笑)
H:そういえばそんなタイトルだったね。
T:いや、当初の企画段階ではオンラインでいろんなユーザーが一つの路線に入って、みんなで運転するという企画だったんです。
O:みんなで運転するから自分の運転が他人の運転に影響する。つまり人の運転によって信号変化が影響するっていうようなシステム。

― 面白そうですね。何でやらなかったんですか?

T:確かに面白そうなんですが、オンラインを制作した経験も無いうえ、PS3の能力もわからないのに、しょっぱなでできる企画じゃないな。と。
H:開発に3~4年かかっちゃいますよ(笑)

― なるほど(笑)それは大変ですね。

T:いつかはやってみたいですねー。夢ですよ。
H:いつかなうのやら(笑)

― 今回のプラットフォームにPS3を選ばれた理由は?

T:やはりブルーレイディスクの容量ですね。
O:相当な収録時間が入りますし。

― やはり容量はいつも付きまとう問題ですね。しかし、路線距離さえ何とかすれば、他のプラットフォームでもよいのでは?

T:確かにそうです。でも、もう一つPS3ならではと言うことがあります。

― それは?

T:ここからは専門的になってしまいますが、PS3にはMPEG2再生支援の機能が付いているんですよ。普通の再生ももちろん、可変再生やフレーム呼び出しなどもできるのがPSならではと言うことになります。

― なるほど。しかも今回はメモリも従来より爆発的に増えたことによって、制作は相当楽になったのですか?

T:実を言うと、もうすでにメモリがありません(笑)

― ええ!?

T:というのもうちの作品は走行映像を大量にメモリ上にストックしなくてはならないので、かなりメモリを食ってしまうのです。メモリに先読みさせないと高速再生が追いつかなくなっちゃうので…

― それは大変ですね。

T:大変です。しかも今回は映像がハイビジョンサイズになったため、従来作よりさらにメモリを食いますし。
O:この問題はPS4になっても続くと思いますよ(笑)

― 一部のユーザーの中からは、なんでPCで発売しないんだ。との声が上がっていますが。

T:まずTrainSimulatorを快適に動作させるためのマシンスペックが相当高いと言うことですね。
O:これは東急電鉄様の業務用シミュレータを作った際にわかりました。

― 実際どの程度のマシンスペックが必要なんですか?

T:まぁ現在流通しているPCパーツの最上位機種と、メモリは4GBでSCSIのHDDを300GBほど。それをRAID0+1。
O:とにかく容量がでかいんですよ。
T:もし売るとなったらHDDで発売になりますね(笑)
H:業界初です(笑)

― では最後に次回作の路線を教えてください。

T:それは東京ゲームショウまでのお楽しみです。

― 一部で向谷社長のブログの動画に写っていたブレーキハンドルが次回作路線だと噂されていますが。

T:黙秘します(笑) といってもアレは趣味で撮影した写真の壁紙であって、別に作っている運転台ではありません。あらかじめ言っておきますが…

― というとあの映像と採用路線とは全然関係ないと?

T:黙秘します(笑) 東京ゲームショウですべてが明らかになりますよ。

― なにやら怪しい言い回しですね(笑) 東京ゲームショウが楽しみです。
  次回は採用路線の決め方についてお聞きします。お楽しみに!

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2006年4月 6日 (木)

制作うらばなし:九州新幹線編

在来線撮影中の様子。左にいるのが社長

今回は九州新幹線の裏話。

九州新幹線は12月に撮影されたのですが、梅雨でも無いのに何故か撮影日に限って雨が降りまくるという、かなり運の悪い撮影となりました。
雨が降った場合は順延となるのですが、当初の撮影日にあわせて航空券を取っているため、何日も滞在して撮影し続けるわけにも行かず、撮影が失敗すると何も撮れないまま帰らなければなりません。
さらに九州新幹線は、再撮影の時も運が悪く雨が降り、空振りで帰る羽目になりました。
さすがにこう何度も九州と東京を行ったりきたりすると、会社の資金が底をついてきます。
そのため九州新幹線撮影時はいろんな意味で相当苦労しました。

また、同じ理由で取材などは慎重を期します。
音の撮り忘れなどがあったら大変です。

…というわけで大変な思いをしました。
喚呼取材の台詞が足りませんでした。

どの台詞かというと、熊本出発時に歓呼する「熊本、定発!」という喚呼を収録していなかったのです。
さすがに録り忘れたからもう一度熊本へ、と簡単に行ける筈も時間も無いので、さてどうしようかと悩み続けた結果、音声を合成することに。
その録り忘れた運転士さんの音声から、『く』・『ま』・『も』・『と』・『て』・『い』・『は』・『つ』のそれぞれの声を別の喚呼音声から拾ってきて、並び替えて無理やり制作。
大体それっぽく作ったものの、「くぁむぉと、て○$×&#!」という、普通に聞いてると何を言ってるのかさっぱりわからない不思議な喚呼が完成
熊本弁ということにして乗り切る。

ある程度ゲームが完成すると、列車の挙動やイベントなどを実際の乗務員さんにプレイしてもらってチェックします。この作業を運転士さんチェックといいます。
完成直前の九州新幹線でNON STOP TSUBAMEを九州新幹線の運転士さんにプレイしてもらったところ、なんと全駅0秒定通
模範運転ではスタッフが必死に速度と距離を元に、電卓を叩きながら通過時間を算出していたのですが、これが本職のテクニックなのかとスタッフ一同驚愕。
逆にそれだけ正確に作れたソフトにスタッフも自信を持ちました。

9_2余談:
九州新幹線つばめの車両には定速装置がついているのですが、実際の業務中は使用しないとのこと。
これだけ上ったり下りたりの激しい路線、使わないのはもったいない気がすると思うのですが、やはり定速装置を使ってしまうと寝てしまうからなのでしょうか?

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2006年3月23日 (木)

模範運転の裏話

地獄の模範運転となったAEダイヤ

一部の方々には、模範運転はコンピュータが自動的に計算して勝手に運転しているんだと思っている方もいらっしゃると思いますが。
全然違います
あれはスタッフが死ぬ気で死ぬほど正確な運転を行って、それを記録しているのです。

京成・都営浅草・京急線までの作品は、一部の作品を除いて試験のダイヤすべてに模範運転をつけていました。
しかし、京成では試験ではなく、全ての運転ダイヤに全線の模範運転をつけようということになったのです。
ということは回送ダイヤ含めて全18ダイヤで模範運転を行わなくてはいけません。
おまけに模範という以上、模範となりうる運転方法が求められます。
以下実際に使われた目安。

●停止位置:±29cm以内
●時刻:±5秒以内(無理しない程度に)
  ※775H 品川-泉岳寺などは少々の遅れはOK
●発車:共通でP1発車(但し10秒以上は避ける)、その後は
  40km以下でノッチオフの場合:P2
  50km以下でノッチオフの場合:P3
  それ以上P4orP5
  車両により適宜使用
  都交線内ではP5は使用しなくてもよい
●制動
  京急:1-3-4(5)-3-1など基本制動であればOK B1で停車
  都営:1(2でもOK)段制動階段緩め B1かNで停車
  京成:コメ直しなし B1で停車
  ※停車中は京急はB1、他は転動しないように(5‰以上を目安にB3など)
●初動ブレーキと緩和ブレーキは京急京成は必須 都営は緩和のみ
●停止信号時の扱い
  京急:信号機が画面からはみ出ない程度で
  都営:適切な場所で
  京成:閉塞信号機…約30m手前に停止
  場内信号機…電話機のあるところ(運転席脇に来る感じで)
●勾配対策:駅が上り坂の場合はB3以上から一気にP1へ。5‰以上を目安に
●AE100は45km/h以下では定速を使用しない
●特殊な操作は手動で
●戻しノッチ厳禁(従って5300の定速機能も使用しない)
●できるだけノッチをいじらないで運転する

こんな感じです。かなり厳しい条件です。
みなさんも是非やってみてください。死にます。

しかし、いくら音楽館がツワモノだらけといえども、最初から最後までノーミスでこれを行えるはずがありません。
一応ブレーキナビも使えるし、一駅ごとにセーブすることも出来ます。(ブレーキナビを使わないでやってる人もいましたが)
でもこのセーブ機能、駅でしか使えないため、地獄なのが停車駅数の少ないダイヤの模範運転。
主にスカイライナーとかスカイライナーとか回送とか回送とか。
特にスカイライナーの7AE11は、日暮里を出たら空港第2ビルまで停車しません。
つまり途中でセーブが出来ないため、ほぼ全線本番状態。
いくらブレーキナビとにらめっこしてても失敗するときは失敗します。
私はこの7AE11のダイヤを日暮里~空港第2ビルだけで78回やりました(朝11時から初めて終わったのが夜3時)
そのなかで船橋以降は2回しかやっていません。つまり76回は船橋までで死んでます。
そんな7AE11の苦心の日暮里~空港第2ビル攻略法はこちらをご覧ください。
(攻略法を見ながら模範運転を見ると面白いかも…)

あと回送の模範運転ですが、5S01はわけあって前半があまり完全に再現しきれてません。
しかし後半はかなり正確に再現してあります。
(特に公津の杜で停止位置付近で前から特急列車が走ってきて慌てて大減速するあたりとか)
なお、701Hの方は完璧に再現されています。

ちなみにPSP版で模範運転が入っていない理由は簡単です。MTCが使えないから。
MTC無しで模範運転を作ってたら、発売日が後2・3ヶ月は遅れていたでしょう…

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2006年3月 1日 (水)

デヤ7200系特集!

7200

Train Simulator + 電車でGO! 東京急行編で東横線と大井町線を撮影した際に使用した、電気検測車のデヤ7200系の内部を公開します。
詳細をマイフォトに掲載しました。こちらからご覧ください。

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制作うらばなし:東京急行編

撮影準備中の撮影列車 今回はTrain Simuletor + 電車でGO! 東京急行編の裏話。

山手線の裏話でも話しましたが、撮影の際に駅停止位置付近で前方に対向列車がいないように細心の注意を図りながら撮影します。
ですが、さすがに日本の鉄道が超正確なダイヤで走っているといっても必ず同じ時間で走っているわけではありません。
なので撮影ダイヤを綿密に決め、対向列車が大体どのあたりでやってくるかもという予測をダイヤグラムや線路際の接近灯、駅の電光掲示板などで推察しながら走ります。
しかしどうしても避けられなかった不測のすれ違いがありました。それが東横線白楽駅停止位置付近です。
カーブの駅なので前方の見通しが悪く、接近灯が点灯しているのに走ってこない。
ゆっくり走ってやりすごうそうにも、“爆速東海道”や“超高速新幹線”の二の舞になってしまうので、落としすぎるわけにもいきません。
そうやって走って行き、反町停止位置付近、前方が開けた瞬間に走ってきた9000系下り電車。
アウトです。急行などの通過列車なら気づかれないけど、各停だとアウトです。
撮影時のスタッフが全員「ああああああ…」といったのは言うまでもありませんでした。

撮影は基本的に早朝に行われますが、田園都市線の撮影は前日が平日ということもあり、ホームに始発帰宅組みのお客がいました。
もちろん酔っ払っています。
どこの駅かとは言いませんが(言えませんが)、撮影列車が駅を通過する際に、めちゃくちゃゲロりそうな客発見。
「ヤバイ!!」
スタッフの誰もがそう思いました。
もし(自主規制)シーンが映ってしまったら、撮り直しになるところです。
しかし、ギリギリセーフで撮影列車が通過した直後に(自主規制)していました。
撮影にはこうしたハプニングがいくつも潜んでいるのです(笑)

東急2000系が登場する田園都市線各停長津田行きは、ラスボス中のラスボス的な存在です。
反応は悪いわ、回生失効はするわ、ブレーキが利かないわの扱いにくいところ尽くしの車両になっています。
というのもこの車両の性能、チェックした東急の運転士さんの手によってこのような車両に変身させられてしまったのです。
2000系はわずかに3編成しか製造されず、東急ではもっとも少数勢力の車両になっています。
そのため3編成のすべてのマイナスな部分だけがチョイスされ、再現されているのがゲーム中の2000系でした。
ちなみに、実車のほうはゲーム発売直後に工場に入り、それらがすべて改善されています。
本当は2000系はいい電車なんですよ!(笑)

あと、ゲームでは再現されていませんが、中央林間は最後のATC10コードを受けた後、ORSによって一定時間以内に停車しないと非常停止がかかります。
たまに停止位置手前で停車する列車はそれが原因です。
また、停車駅のホーム中ほどでATC50コードを受けますが、これも当たると非常停止です。

後日、撮影列車の7200系の中をマイフォトにて一挙大公開しますのでお楽しみに。

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