SLシミュレータ開発記

2007年11月 2日 (金)

SL試運転の展望映像公開!

D51-498 高崎にて

2006年の12月27日に行われたSL取材時に撮影した展望動画を公開します。
映像はD51の機関助士側に取り付けられた前方用ハイビジョンカメラの映像と、機関士席斜め上に取り付けたカメラで機関士の動作を撮影、さらに左側第三動輪と速度用スピードメーターを撮影したものをミックスしています。
いままでのSLシミュレータ開発記で書いてきた、機関士の大量の操作をこの動画で確認して、鉄道博物館のD51に挑んでみるのもよいかもしれません。
また、高速走行になると画面が激しく揺れます。見すぎて酔わないようにしてください。

動画はこちらから。

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2007年10月15日 (月)

鉄道博物館開館!!

開館した鉄道博物館のヒストリーゾーン

10月14日にさいたま市大宮区に建設された鉄道博物館が開館しました。鉄道博物館は昨年閉館した交通博物館の代わりに建てられたものです。
敷地面積も展示車両数も交通博物館時代より大幅に増加し、特に交通博物館にはほとんど無かった乗車可能な客車や電車の実車展示が見所です。
14日の開館に当たっては前日の夜から入り口の前に、一番手目当てのお客さんが並ぶほどの状態。開館前には3400人近くの鉄道ファンが並び、予想通りの大混雑に。その後も人は増え続け、正午過ぎには入場規制がかかるほどの状態でした。入館者数は約1万人とのことです。

開館前の博物館へはシミュレータの用事で何度か行きましたが、開館前の閑散とした状態とは打って変わってどこもかしこも人だらけ。それでも歩けるだけの余裕があるのは博物館自体の大きさが大きいからだと思いました。昨年の閉館日における交通博物館は人だらけで歩くことすら困難だったので、その広さは顕著です。
さすがに1万人近く来ていることもあってヒストリーコーナー各展示車両の車内は大混雑。481系や181系に至っては現役時代に引けをとらない乗車率に(笑)。クモハ40系では展示車両なのに乗り降りする人によって車両が揺れまくっていました。展示車両が揺れる様なんて見たことがありません(笑)
2階のジオラマコーナーで行われるナレーション付き運転プログラムは予約制に関わらず、場所取りの関係で長蛇の列がとぐろを巻いていました。なお、このジオラマでは音楽館の社長である向谷実がBGMを担当しています。

まるで現役時代の481系の車内

ものめずらしそうに見られるSLシミュレータ

さて、肝心のシミュレータコーナーですが、やはり目玉だけあって大盛況。コーナー入り口で入場制限をかけて並ばせているのでコーナー自体の混雑度は大丈夫でしたが、各シミュレータともかなりの行列を作っていました。
SLシミュレータは完全予約制なので行列もありませんが、周りのシミュレータで待っている人たちはSLの走行映像や動く筐体を食い入るように(あっけにとられて?)見ていました。
ヒストリーコーナーでは中央の転車台で実際に回転させる実演を行っていました。ゆっくりと6分かけて回るのですが、途中で転車台に乗ったC57が汽笛を鳴らします。現役時代に比べれば声量は少なくなっていますが、さすがに大音量。その音量に泣いてしまう子供たちもいました。
そのほか、お土産コーナーや食堂は一日中大混雑。お土産コーナーに至ってはレジ待ちで閉館時間を過ぎても人がいました。

大盛況の日本食堂とお土産コーナー(写真奥)

転車台実演

鉄道博物館は毎週火曜日と年末年始が休館日。ただし、12月28日までの年内は無休で開館します。

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2007年10月12日 (金)

最後の仕上げ!機関士さんチェック!

高崎の機関士さん同じく高崎の機関士さん

筐体と合体したSLシミュレータは、ハードもソフトもほぼ完成状態。となるとうちの会社としてはおなじみの、ある行事を行わなくてはなりません。
そう、運転士チェックです。(SLシミュレータの場合は運転士ではなく機関士チェック??)
今回のSLシミュレータは元蒸気機関士でもある館長代理の荒木氏にほぼ監修してもらっているため、かなり順調に制作が進んだ上、性能面に関しても荒木さんの相当なこだわりが注がれているためリアルなものが出来ています。
ただ、やはり元蒸気機関士である以上それは昔の経験。現役の機関士にしかわからないこともあるというわけです。
というわけで現役の蒸気機関士の方々2名をお招きして、シミュレータの仕上げチェックをしてもらいました。チェックしていただくのは前回の高崎での取材で実際にD51を運転していた機関士さんです(写真左側の機関士さんはSLシミュレータ開発記の第五回に掲載されている写真の方です)
チェック期間は二日間を予定して、さっそくプレイしてもらいました。D51シミュレータに実際に乗ってもらうと、やはり挙動や音のリアルさにまず驚いてくれます。(この驚いてくれるということが製作者としての喜びにもなります。笑)
ただ、やはり実物と違って多少感覚が違うのか、最初のプレイでは頻繁に空転を起こします。しかしそこはプロの機関士。すぐに適応して上手い運転を見せ付けてくれます。あの連続勾配すら難なく上ります。
運転しながらプロの鋭い目でチェックも入ります。「加減弁を開けたり閉めた時のシリンダー圧力の反応が遅い」等と指摘され、即修正に入ります。
しかし、本物の蒸気機関士が運転して、「遠方進行!!」「進行!!」「閉める!!」等と喚呼が飛び交っているのを見ていると、本当に実際のD51に乗っているかのような錯覚に陥ります。
ぶっちゃけドラマとか映画のロケに使えるんじゃないかと思えるぐらいのリアルな状況です(となりに209系がいますが。笑)

シミュレータのシステムに感心する機関士さんたち

巧みなブレーキさばき。さすが現役! こうしてみるとまるで実物?

チェックで何か指摘され、すぐに修正するという作業工程を行い、やがて特に指摘も無くなりOKとなりました。
終わったあと機関士さんに話しを聞いたところ「物凄く緊張した」とのこと。また、「これなら訓練用としても成り立ちますよ」とまで言ってもらえました。実際にこれからの若い新米機関士さん達がこのシミュレータで訓練してくれたらこちらも喜ばしいことです。
逆にこのシミュレータをやったことによって蒸気機関士を目指す人も出るかもしれませんし。

 

あと、この数週間後に懸案だったATSが実装されました。作動する駅は宮守駅と遠野駅手前です。
実際に動作している様子をご覧ください。


宮守駅手前のATS-S型動作の様子


遠野駅手前のATS-S型動作の様子

ただ、必ず作動するのではなくマニュアルで設定しない限り作動しません。運営基準が固まるまではATSの操作は行われないかもしれませんのでご了承ください。

 

さぁ、いよいよ鉄道博物館が開館します。
足掛け3年となったこの企画。音楽館史上最強(最凶?)となったSLシミュレータ。
ぜひ足を運んでプレイしてみてください!

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2007年10月11日 (木)

博物館で初動作!

ついに完全体になったSLシミュレータ

2007年初夏、音楽館から機材がすべて搬出され、大宮の鉄道博物館内にあるSLシミュレータ筐体と合体しました。いよいよSL筐体で動かせる状態になったというわけです。
前回の視察で無かったプロジェクタが左右とも埋め込まれ、ガランとしていたキャブにはハンドル類がしっかり取り付けられています。
やはり一番目立つのはその大画面に映し出された巨大な走行映像。運転席に座ると実際の蒸気機関車に乗っているかの状態です。撮影方法が完璧に成功だったことが証明されたということです。
さらに、特徴的なのは動揺装置による揺れ。同じ実物運転台シミュレータでも揺れると揺れないとでは明らかに揺れるほうが臨場感が増します。この揺れ方も高崎でのD51取材における揺れのデータ化、そして動輪の回転の仕方などによる物理的シミュレートの揺れをプラスした、超リアルな揺れを再現しています。さすがに高速域での本物並みの激しい揺れは振り落とされたら危険なので再現していませんが、抑えた揺れでも相当なリアリティをかもし出しています。通常の分岐器やカーブなどの揺れの他、加速・減速で起こる揺れもあり、特に凄いのは蒸気機関車が空転した時に小刻みにガタガタガタッと揺れる前後衝動。キャブについている窓ガラスがガタガタと物凄い音を立てるので空転しているかどうかが(危機感を持って)直感的にわかるようになっています。
また、10個のスピーカーから出る音は圧巻。まさに本物のD51。動輪の回転状況に合わせた各種蒸気音の再現などは凄いの一言です。しかも低速域と高速域でのドラフト音の違いや、加減弁・逆転機ハンドルでの蒸気供給量での音量差も完全に再現。汽笛も数段階に別れ、汽笛ペダルの踏み具合で音の強弱が可能になっています。

運転席からの様子各種圧力計

さて、こちらがキャブ内の状態。左の写真が運転席からの様子、上の写真が各種圧力計とバルブです。
速度計下にある左右に取っ手の付いてる黒いハンドルが逆転機ハンドルです。コレを回すことによって出力を調整したり、機関車の前後方向を決めます。車で言うところのギアかクラッチに当たるようなもの。ちなみに写ってはいませんが、上の写真の左に加減弁があり、それを手前に引くと蒸気が送り込まれて加速します。車で言うとこのアクセルに当たります。
左の写真右側に写っているのがブレーキハンドル。電車と違って二つ付いていて、上のハンドルが単独ブレーキ弁で機関車単体のブレーキ扱いをし、下のハンドルが自動ブレーキ弁で列車全体のブレーキ扱いをし、主にこちらを使います。
このブレーキ、アホみたいに利きません。自動ブレーキは電車でおなじみの電気指令式や電磁直通と違い、利き始めるまでに物凄い時間がかかります。というのも自動ブレーキは前方の車両から順次効き始めるため、編成全体がブレーキをかけ始めるまでに時間が必要だからです。おまけに弱い圧力だとまったく減速しない上、圧力を強めてブレーキがかかり始めるとあっという間に急停車します。さらに利き始めるのも遅ければ、ブレーキを抜くのも時間がかかります。そのくせ一旦抜け始めると電光石火で抜けます。まるでじゃじゃ馬です(笑)
多分、蒸気機関車を走らせることよりも止めることのほうが大変だと思います。
右の写真の真ん中にある圧力計がボイラー圧力計です。14kg/cm^2ぐらいを目安にしてください。圧力が15を超えるようだと安全弁が吹き、シューというやや大きめな音がなり続けます。走っている際も加減弁や逆転機を満開に近い状態にしているとあっという間にボイラー圧力が下がってしまうので、省エネ(?)運転を心がけましょう。

ノリノリで運転する社長 まるで熟練の機関士?

会社で運転が出来るようになって以来、よく運転しているためかなり上手くなっている社長。
ちょっとやそっとでは空転しなくなりました。
ただ、やはり釜石線は勾配路線。宮守駅付近の連続25‰勾配は相当の難所です。下手すると坂の途中で立ち往生。そのまま走らせることが出来なくなってしまう可能性もあります。そのため、勾配に入る前までに速度を上げておき、勾配に入ったら空転しないぎりぎりの出力を探り、逆転機で調整し続けることを要求されます。もし空転してしまったら即座に加減弁を閉じ、空転が止まるように手配しましょう。どうしても坂道で空転が起きて加速できなくなった場合は、砂まきコックで砂を線路上に撒き、粘着係数を上げて加速するという最後の手段もあります。(一旦坂道で砂を撒くと、勾配が終わるまで撒き続けないと空転してしまうという弊害もありますが…)

ちなみにこれら宮守駅付近は上級者用区間です。腕に自身のある人だけどうぞ(笑)

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2007年10月10日 (水)

すごいことになっている仮設シミュ

物凄い状態の制作室

シミュレータ作業も順調に進み基本的な部分は大体完成間近。今回はそのシミュレータ制作室の様子。
前回の搬入時には無かった機器類も増え、制作室の中は大変なことに。管理用のモニタや、速度計、水面計、投炭センサー、火力ランプなどが追加されたため足の置き場もないぐらいに設置されています。

 

速度計

まずは速度計。
蒸気機関車の速度計は電車と違い、動輪の回転数をロッドを使って直接伝え、その回転数から速度を割り出します。速度計の中身も電気的な物は一切無く、あくまでも機械式時計と同じようなシステムで針を動かします。速度計の中身が時計と同じなので、動き出すとカチコチなります。しかもこの音が割りと大きい音なので、要注意です。
速度計は一定時間の平均速度で求められているので、速度変化が激しい場合は正確な速度がでません。わりと大雑把に動くのでここも要注意です。

 

投炭センサー

次に投炭センサー。
前後左右に豆電球のようなセンサーが付いている枠で、この中に石炭が入るとその位置が割り出されるシステムです。石炭には投炭される場所によって燃え方が変わります。通風の良い焚き口戸側はよく燃え、奥は燃えにくくなっています。そのため石炭が奥に多すぎると燃えにくく、逆に手前が少なすぎると温度が上がりません。左右も含めて満遍なく投炭するのがコツです。ただ、あまり大量に石炭を投炭しすぎると盛られた石炭でセンサーを遮ってしまい、石炭が投炭され続けていると判断してボイラー圧力が大変なことになってしまうので気をつけてください。

 

火力ランプ

これは火力ランプ。
燃え方にあわせてランプの点灯具合を変え、釜の中の演出をします。

 

水面計

最後に水面計。
ボイラーの中の水面の位置を表します。これが意外と重要で、ボイラー内の水が少なすぎると高温の釜があらわになってしまうため火室内壁が熔けてしまいます。そのため水は常に85%前後を保つようにしなくてはなりません。ずっと焚き続けているとボイラー内の水は減っていくので適宜注水器か給水ポンプで水を供給してください。また、水面は勾配でも変わります。上り勾配ではボイラーが斜めになるため水が手前に溜まり、水面が上がります。逆に下り勾配では水が前方に溜まるため水面が下がります。上り勾配で水面が高いからと安心していると、下りで大変なことになるので気をつけてください。

難しいホワイトボード

おまけのホワイトボード。
蒸気機関車をシミュレートするための記述なんですが、何がなんだかさっぱり。
しかしそのさっぱりな記述が物凄い計算をして機関車を動かしていることを語っています。
蒸気機関車で重要なのはボイラーの圧力。圧力が無いとシリンダーに送り込まれる蒸気も無くなり前に進まなくなってしまいます。じゃあ火をがんがんに焚いて水を供給して蒸気をいっぱい作ってボイラー圧力を維持すればいいのかという問題でもありません。
蒸気機関車にはボイラー圧力の他、ボイラー内の温度も重要です。ボイラー内温度が低くなると膨張率の少ない蒸気が作られるため、ボイラー内圧力が高くてもシリンダー圧力が低くなります。膨張率が低いとシリンダーに入り込む蒸気量も少なくなるためです。そのため加減弁を満開にしても速度が出なくなったりします。ボイラーの温度が低くなる要因は水の供給しすぎです。いくら給水暖め器を通って熱湯になったとしてもボイラー内の温度よりは低い以上、供給し続けると温度が中和して低くなってしまうのです。ボイラー内温度は200~210度ぐらいが適正です。また、石炭を入れ続けても中々火がつかないので、適宜投炭をやめ火がつくのを待ちましょう。

ちなみにこの数日後、機材は再び音楽館から搬出。鉄道博物館のSL筐体と合体しました。いよいよあの筐体で動かすことができるようになります!

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2007年10月 9日 (火)

鉄道博物館初視察

SLシミュレータ筐体

鉄道博物館がだいぶ出来上がり、SLシミュレータの筐体が設置されたということで視察に行きました。
シミュレータのコーナーは博物館の中央入り口から入って左側すぐのところです。交通博物館のひしめき合ったシミュレータコーナーと違い、広々としてたくさんの人がいても対応できそうです。
シミュレータコーナーにはSLシミュレータの他に交通博物館時代の205系・209系・211系・200系のシミュレータが置いてあり、SLシミュレータは一番奥に設置されています。
SLシミュレータを一目見て何が凄いといえば、まずそのプロジェクターの大きさ。ミニシアターと言っても過言ではない大きさです。
この視察の段階ではまだスクリーンがはめ込まれていませんでしたが、ここに映像が映し出された時にはさぞや度迫力なのであろう事が容易に想像できます。
また、上の写真を見るとわかると思いますが、SLシミュレータが筐体位置がかなり高い場所にあります。これは下に動揺装置が組み込まれているためです。

 

下に履かれた動揺装置

これが動揺装置です。前後左右に揺れるように出来ています。
ちなみに動作させると筐体天井からホコリが降ってきたそうです(笑)

 

給炭装置

シミュレータ筐体の後ろにあるタワー状のものは石炭を溜める場所。いわゆるテンダーにあたる場所です。
タワーについてる滑車で石炭の籠を持ち上げ、石炭を溜める箱に石炭を補給するシステムになっています。

 

精巧な偽石炭

箱の中はこんな感じです。量的にはかなりの量が貯蔵できますが、実際にはすぐ無くなるかもしれません。投炭量には注意が必要です。
ちなみに石炭は本物ではなくゴム製のダミー。本物の石炭から型を取ったので、さすがにその形状は石炭そのものです。
ただ、ゴムなので多少跳ねます(笑)

 

精巧な偽スコップ

これが投炭用のスコップ。大と小の二種類が用意されています。
ちなみにコレも偽物で、よく出来たFRP製のものです。さすがに鉄製の本物を使って怪我をしたら大変なので。
しかしその汚れ具合などは本物そっくり。よくできています。

 

がらんとしたキャブ内

筐体の中身はまだ空っぽ。それもそのはず、まだハンドル類は音楽館内にあるので。
中身が空っぽのキャブは結構広く感じます。

とりあえずそれら状況を視察。
まもなくこの筐体で動かすことが出来るようになります!

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2007年10月 5日 (金)

音楽館へ機材搬入・初操作!

搬入されるハンドル類

釜石での撮影から8ヶ月。映像も編集が終わり、編集動画を元にさまざまなデータが作られ、パソコン上で徐々に動く蒸気機関車が見えてきました。
ただし、動かすのはあくまでもキーボードやマウスを使った方法のみ。これでは実際通りにシミュレートされているかわかりません。
というわけでハードチームが修理・改造を行ったハンドル類が音楽館のシミュレータ制作室に運び込まれました。
普段はガランとした部屋だったのですが、運び込まれた機材でいっぱいに。ダンボールやら部品やらが所狭しと置かれます。
そのなかで特に目立つ、というか主役のハンドル類。キャブやボイラーから取り外された蒸気分配箱やブレーキハンドル、加減弁や逆転機などが中央に鎮座します。
これらのパーツは素組みのパイプに仮設置されたもの。そのため今だけ見れるハンドル類やメーター類の検知・動作システムに興味心身です。
ちなみにこれらパーツ類は素組みなので実際の配置場所とは違います。最初はバイパス弁やドレイン弁が逆転機ハンドルより奥にあって、どうしようかと思いました(笑)
組み立てながら配線作業も実施。コードやら何やらが次々に繋げられていきます。よく間違わないものだと関心。

奥に見えるのがサーバーラック 機器類が組み立てられるのと同時にサーバーマシンも構築されます。
いままでの実作業は通常のPCでしたが、実際の運用に当たってはRAID構築されたサーバーマシンによってシミュレートされます。そのため現段階で実運用のマシンにシステムを乗せ、長期耐久テストも兼ねるというわけです。完成してサーバーに移し変えて動かなかったら大変ですし。
また、サーバー用のラックにはサーバーのブレード以外にネットワーク回線、信号制御用システム、そしてパワーアンプが2台入ります。
このパワーアンプは最初の企画にあった、複数のスピーカーで音声を鳴らして臨場感を出すようにあります。
スピーカーの数はなんと10個!これだけあるとなるとパワーアンプ無しでは鳴らせませんので。
アンプが入ったサーバーラックはそうはお目にかかれないかもしれません。

楽しむ社長壁に映し出された走行映像

とりあえず一通りの接続を終え、サーバーマシンにシステムを移し変えてシミュレート実験開始。プロジェクターを壁2面に投影し、実際の鉄道博物館に似た状況を作り出します。
映し出される映像に一同大喜び。
そしてハンドルを引いて走り出し、また一同大喜び。
まだ音声やメーター類の動きはありませんが、とりあえずハンドルを操って動いたことに皆感動しました。
ちなみに一番喜んでいたのはもちろん社長です。ずっとやり続けていたあたりにその喜びが表れていました(笑)

さて、開館まで半年を切り、最後の追い込みです。

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2007年10月 4日 (木)

交通博物館から機材搬出

取り外されたキャブ ボイラー周り

2006年5月14日に万世橋の交通博物館が閉館してから8ヶ月。館内の展示物は大半のものが大宮の鉄道博物館へ移動するため、徐々に徐々に搬出されていきました。
搬出される展示物の中にはもちろんD51のキャブも含まれます。
まずキャブの外回りキャブ側のボイラー、ハンドルや蒸気分配箱、そして奥のボイラー側と分割します。
分割するとわかるのですが、とにかくいたるところがボロボロ。いくら博物館内という屋内環境でもかなり劣化するようです。
特にボイラー周りは崩れやすいので慎重に取り外します。
キャブは搬出後に補修され、足りない部品は新規取り付け、動作させる部分は改造を行います。
主にブレーキ圧力計・シリンダー圧力計・ボイラー圧力計・給水ポンプ圧力計の針を動かすための改造と、ブレーキハンドル・逆転機ハンドル・加減弁ハンドル・ドレイン弁・バイパス弁・砂まきコック・給水ポンプ・各種バルブ・汽笛の検知装置取り付け、焚口戸作用スイッチと焚口戸開閉改造、水面計の動作改造です。
ちなみにボイラーは展示時の物は使われず、投炭した石炭を検知するセンサー取り付けや燃焼演出用ライトの取り付け、石炭が回収しやすいようにするため、全部新規作成になります。
補修した上でキャブ周りは鉄道博物館へ搬入され、シミュレーターコーナーに設置。ハンドルなどのシミュレートする部品類は音楽館へ搬入されます。

おまけ 搬出される山手線シミュレータ

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2007年10月 3日 (水)

高崎D51取材

横川に停車中のD51-498

撮影も終わって3ヶ月。映像も編集作業が終わり、映像から勾配や曲線のデータを抜き出す作業も進みました。
うちの作品の制作ラインは主に5つあり、動画制作班・音声制作班・性能制作班・データ制作班・グラフィック制作班にわかれます。そのうち2つ目の音声制作は、収録された動画から走行音を切り出し、実際にどう鳴らすか設定する作業のほか、列車のコックピット音の作成もあります。
コックピット音は列車の器機を操作した時の音やモーター音などですが、蒸気機関車の場合はモーター音ではなく蒸気音です。もちろんノイズの合成音で作るわけにもいけないので実際に収録しなくてはなりません。そこで高崎のD51-498へ音の収録をしに行きました。
高崎のD51は高崎~水上間で走る『EL&SL奥利根号』の他、高崎~横川間で走る『SL碓氷号』があります。もちろん実際の営業運転の前には試運転も行います。今回はその『SL碓氷号』の試運転の時に音取材もさせてもらおう、という形です。
前回のD51取材はスタッフ二人だったので、まだ大部分のスタッフはD51を知りません。そこでそれら教習(?)も兼ねて、皆で取材に行きます。まぁ人手が多いほうが荷物運びには便利なので。

客車内に設置された機材 高崎に着くと、まず最初にミキサーや音声コードを客車側に取り付けました。客車は12系客車です。隣に旧型客車も留置されていて、あっちの車両のほうがいいなぁ~とも思ったり。
12系客車は4両編成のうち、1両は発電用のディーゼルを床下に積んでいます。このディーゼルが曲者で、かなりの騒音を発生します。万が一、D51に取り付けたマイクがこの音を拾ったら、せっかくの音取材が台無しになってしまいます。するとなんとJR様側からのご配慮で、このディーゼルつきの車両をわざわざ編成反対側に付け替えてくれるという特別な計らいをしていただきました。これで騒音問題は解決。JR様に感謝です。

D51に取り付けられたマイク類次に機関区に移ってD51にマイクの取り付けをします。
マイクは実際に音の出る場所の近くに取り付けます。一つ目は煙突の横。ここでボッボッというドラフト音を収録します。二つ目は第一動輪横。ここでロッドの音を収録。最後の三つ目は第三動輪横。これは動輪自体の回転音を収録します。
さらにマイクだけではなく今回はカメラを使って動輪の動きや機関士の動作を収録。前面展望とあわせて見ることによって、機関車の状態による操作方法を覚えるためです。
設置だけに一日使い、ホテルに宿泊後の翌日に取材開始。
翌日朝9時、再び車庫に集まり客車に乗車。そのまま出庫しD51と連結し、10時34分に物凄い汽笛を鳴らして高崎駅を出発。動画も順調に撮れています。

キャブと動輪の様子北高崎を通過するあたりでD51は最高速に。その速度はなんと時速57キロ近く。蒸気最盛期ならこんな速度は出してるうちにも入りませんが、今のSLしか知らない身には驚異的な速度です。
そして何より凄いのが揺れ。キャブ内に取り付けたカメラを見てみると、とてつもない揺れでカメラがブレまくっています。見てるだけで酔いそうです。
やがて横川へむけて連続勾配区間に入り、速度が徐々に落ちてきます。さっきまでの速さは嘘のように、時速20キロ程度でえっちらおっちら坂を上っていきます。機関士さんの空転させない絶妙なハンドル捌きに驚きです。

横川での取材の風景横川に到着後、残りの音を取材。実物のキャブを使ったシミュレータなので、大半のものは収録しないで済むのですが、それでもブレーキ緩解音や給水ポンプ、インジェクターやコンプレッサ。焚口戸の作用音などは収録しなくてはなりません。特に凄かったのは汽笛。さすがに周囲5キロ近くまで轟かせるだけあって、鼓膜が破れるほどの轟音。マイクの感度は即振り切れ、収録失敗。感度を下げ、鳴らしては下げ、鳴らしては下げで、3・4回鳴らしてやっと収録に成功するほどの音量でした。

性能制作班は機関士さんや機関助士さんを捕まえ質問攻め。自弁と単弁の動きや各圧力計の動き。石炭の投炭方法による燃焼率の違いの他、バイパス弁を開いている時に加減弁を開くとどうなるか、空転した時の対処方法などを熱心に聞いていました。

一時間半ほどの取材は何事の問題も無く終了。高崎への帰りの車内で横川名物峠の釜飯を皆で食べ、SLの余韻に浸りました。

記念撮影

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2007年10月 2日 (火)

釜石撮影

花巻に停車中の撮影列車

夏も過ぎ、9月の終わりのころに釜石線での撮影へ向かいました。
なんとか稲が借り入れられる直前の撮影となってよかったのですが、秋特有の長雨のせいで、ちゃんと撮影ができるのか不安でした。
徹夜で機材満載の車を走らせ、到着したのは盛岡車両センター。キヤ28が出迎えてくれます。
あらかじめ決められていた段取りどおり、カメラやマイクを取り付け準備万端。

1つの三脚に二台のハイビジョンカメラを載せる

モニタもプロジェクタの角度で配置、写り方を確認。翌日の撮影に備えます。

モニタを斜めにして写り具合確認
 

翌日8時過ぎ、盛岡車両センターを出発した撮影列車は花巻駅へ回送されます。
1時間かけ花巻駅へ到着後、撮影開始。のどかな風景の中を撮影列車がエンジンを鳴らし走っていきます。
通常のシミュレータでは低速で撮影した場合、シミュレータ上で高速走行すると映像がカクカクしてしまいます。そのためなるべく速く走ってもらうのが撮影列車の基本なのですが、今回は相手が蒸気機関車。もともと高速では走りません。どんなにがんばっても60km/hがいいところです。
なので今回は普段に比べてかなりゆっくり走って撮影しました。道路と併走するところでは軽トラックにすら抜かされます(笑)
今回の釜石線の撮影時に問題となったのはホームに取り付けられているワンマン用のミラー。
なんと撮影列車であるキヤ28のクリームとオレンジのカラーが思いっきり写ってしまっています。D51を運転していてぜんぜん違うカラフルな列車が写ったら興ざめです。
というわけでこのミラーは編集時に別風景が埋め込まれて対処しました。
そんな感じで釜石に到着。撮影は大成功に終わりました。

途中、線路脇に牧場があって、牛がオレンジの車体を見て興奮しいたのはいい思い出です。列車でもいいんだ(笑)

深い山間部を走る  長時間撮影なので外部デッキ2台で同時録画

釜石に到着した撮影列車

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